ご本尊 阿弥陀如来(あみだにょらい)
〈本堂内〉
元々は観音様・勢至様と共に宮殿に居られたようですが、本堂の火災の時に阿弥陀様のみ先代住職が持ち出してきました。弥陀三尊様全てが安阿弥(あんあみ)〈快慶〉作となっていましたが、年代が違うようです。「安阿弥様(あんなみよう)」ということなのでしょうか? 今は新しい蓮台にお立ちいただき、新しい宮殿の中から、これからもずっとお寺・お檀家様を護り続けて下さるみ仏様です。
救世観音菩薩(ぐぜかんのんぼさつ)
〈本堂外〉
この観音様は、法隆寺夢殿の救世観音菩薩を模して鋳造されました。この仏様より前に、二つの同じお仏像が造られ、一体は一心寺様、もう一体は京都の清水寺様に納められました。ところがこの二体の仏様は、第二次世界大戦の折、物資供出により、戦争で使う銃弾の材料にされたのです。
ご自身の兄弟をこうした形で失うという悲しみを超えられたのですから、尚一層大きな力で、我々の悲しみ、苦しみをしっかり聞き届けて、お救い下さることでしょう。
そのお姿の周りにロープを吊り下げ、そこに布のお花を皆さんに結んでもらってご供養して頂いておりますので、「花の観音様」とお呼びしています。現在、この布の花に皆さんが願い事を書いておられます。こうして多くの老若男女の方々が、観音さまと、色々なことと縁を結んでおられます。
延命火除地蔵尊(えんめいひよけじぞうそん)〈本堂内〉
本堂の中におられる木像のお地蔵様で、鎌倉時代に造られました。
火災から我々をお守り下さるとともに、身に降りかかる火の粉も払ってくださいます。
江戸時代に当寺の僧侶の夢に姿を現し、お告げを下さったおかげで、災難を免れたという言い伝えがあり、霊験あらたかなお地蔵様です。
一度本堂に上って、お地蔵様の柔和なお顔をご覧下さい。きっと心が穏やかに、そして温かくなることと思います。
その笑顔がまるでローソクの炎のように、優しく輝いておられるので、「光のお地蔵様」とお呼びしております。
毘沙門天(びしゃもんてん)
〈本堂内〉
毘沙門天様は独尊像としてはこう呼ばれ、仏法を守護する四天王の時は多聞天と呼ばれます。
この尊像はお檀家様より頂戴しました。仏師の方によると、彫が大変に巧みで、かなり古いお像であることは間違いないようです。
武神としてのお姿も、そのご面相も非常に凛々しく、ふっくらとしたそのお顔から「多くの事を聞いて下さる」多聞天としての優しさも感じられます。
釈迦如来(しゃかにょらい)
〈聖蓮堂内(しょうれんどうない)〉
浄土宗には中国(唐代)の僧善導大師(ぜんどうだいし)の「ニ河白道(にがびやくどう)」というみ教えがあります。
発遣教主釈迦牟尼世尊「はっけんきょうしゅしゃかむにせそん」と呼ばれることもあります。「発遣教主」とは、迷える衆生の背中を押して、弥陀の、すなわち西方極楽浄土に往生するよう勧める教法の主であるということです。すなわち東に居られるお釈迦さまが、西に居られる阿弥陀様の方へ行きなさいと勧めるのです。
東西は逆さまですが、本堂の阿弥陀様と聖蓮堂のお釈迦様はほぼ向かい合っておられます。
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